取り組み
商品における取り組み(省エネルギー化)
ファナックは、商品を通じた省エネルギー化を推進しています。推進のための取り組みは大きく2つあり、1つは「商品そのものの省エネルギー化による、お客様の工場で稼働する際に必要となるエネルギー節約」です。もう1つは「商品の生産に必要なエネルギーの節約」です。ファナック商品のライフサイクルを考えれば、前者の方が圧倒的にエネルギー節約の効果が高くなるため、長期にわたり商品の省エネルギー化に取り組んできました。
大容量サーボモータの開発 | デジタル制御を駆使した高精度?高効率の大容量サーボモータを、他社に先駆けて開発しています。 大きなパワーを必要とするプレス加工機などの産業機械分野では、この大容量サーボモータを油圧に代わる駆動源とすることで省エネルギー化を達成しています。 |
---|---|
電源回生方式の採用 | サーボアンプでは、モータ減速時のエネルギーを電源に戻す電源回生方式を採用し、電源の有効活用による省エネルギー化を実現します。ロボドリルに搭載した場合、抵抗回生方式と比較し、約34%の電力を削減します。 さらに新しいパワー素子の採用により、サーボドライブのエネルギー損失を1995年比で約40%低減しています(ロボドリル搭載時)。 |
消費電力モニタ機能 | 消費電力モニタ機能を開発することでCNCが消費している電力量のモニタが可能となり、機械の稼働時間の調整を効率的に行うことができます。 省エネルギーレベル選択機能を用いることで、加工時間優先の運転と消費電力優先の運転を選択できるようになります。 納期までに十分な時間があるときや、生産ラインにおいて各部品の生産時間に差があるときなど、狀況に応じた効果的な消費電力量の削減が可能となり、工場全體での省電力化にも貢獻します。 |
ファストサイクルタイムテクノロジー | 加工時間を短縮するための機能群です。機械の稼働時間を減少させることで、直接消費エネルギーの削減と、間接消費エネルギー(機械稼働中のクーラントポンプを回すなどの補機の消費エネルギー等)の削減に寄與しています。 |
電力需要の負荷平準化 | ロボットによる夜間稼働により、ピーク電力が分散され、消費電力を抑制できます。 |
軽量化によるCO2排出量削減 | ロボットの機構部の軽量化設計により、消費電力を低減しています??砂豳|量が165kgのロボットの場合、1997年の Robot S-430iW は1,300kgでしたが、2013年の Robot R-2000iC/165F では1,190kgまで軽量化を実現しています。 また、協働ロボットCRXでは、可搬質量10kgに対してロボット質量40kgと、これまでの同等クラスのロボット質量150kgよりも大幅に軽量化し、消費電力を低減しています。 |
最適動作プログラム | ROBOGUIDEを使用して動作プログラムを最適化することにより、消費電力が抑制され、減速機壽命の延命にもなることからランニングコストを低減できます。 |
効率的なロボット活用 | 協働ロボットを搭載した無人搬送車 (AGV) を自律移動させることで、1臺のロボットが複數箇所で作業可能となり、ロボットの稼働率が向上します。その結果、複數のロボットを設置するよりも待機電力が削減されます。 また最新の協働ロボットCRXは、ロボット質量も40kgと非常に軽量で、AGVも小型化できます。さらに、AGVの代わりの人手臺車でも移動可能で、ロボットを必要な時に必要な場所に移動して使うことも可能です。 |
自動ワイヤ結線裝置 | ロボカットにおいて、世界初のワイヤ熱切斷方式を採用した自動ワイヤ結線裝置により、加工工程が従來比200%に高速化され、加工時間が短縮されました。また、世界初となる自動で加工ワーク板厚を検出し加工パワーを制御する板厚追従制御により20%から50%の消費電力削減を達成しました。 |
新モデルでの性能向上 | ROBOCUT α-CiA series は、一世代前モデル (α-iE series) と比較した場合、省エネ性能向上指標(工作物1個當たりの消費電力量)が4.8kWhから4.4kWhに向上しました。 |
周辺機器の電動化 | ロボショットの付加軸追加オプションにより、油圧制御の周辺機器を電動化します。 |
省エネルギーに関する受賞?トピック
令和3年度先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金の補助対象設備に認定(2021)
ロボドリルα-DiB Plusシリーズ
ロボドリルα-DiBADV Plusシリーズ
ロボショットα-SiA, Bシリーズ
生産設備におけるエネルギー使用合理化等事業者支援事業費補助金の補助対象設備に認定 (2020)
ロボドリルα-DiBシリーズ
ロボドリルα-DiBADVシリーズ
ロボショットα-SiAシリーズ
地域工場?中小企業等の省エネルギー設備導入補助金の対象認定 (2014)
ROBOCUT α-CiA series
一般社団法人日本機械工業連合會 優秀省エネルギー機器表彰制度 資源エネルギー庁長官賞 (2003)
電源回生機能と精密デジタル制御の大容量サーボシステム大型ACサーボモータαiシリーズ
一般社団法人日本機械工業連合會 優秀省エネルギー機器表彰制度 通商産業大臣賞 (1999)
位相制御電源回生方式とサイクルタイム短縮によるディジタルサーボシステム ACサーボモータαシリーズ
一般社団法人日本機械工業連合會 優秀省エネルギー機器表彰制度 通商産業大臣賞 (1998)
高速自動結線および板厚追従制御付きワイヤカット放電加工機ROBOCUT αシリーズ
一般社団法人日本機械工業連合會 優秀省エネルギー機器表彰制度 通商産業大臣賞 (1995)
ROBOSHOTシリーズ
生産における取り組み
商品の生産に必要なエネルギーの節約に貢獻します。
組立工程の効率化 | 隼人工場(鹿児島県)では、フレキケーブルの組立工程において、超音波洗浄裝置による洗浄を行っていましたが、洗浄の必要性を再検討することで工程を削除し、年間電力量を158,976kWh削減しました。 |
---|---|
コジェネレーションシステムの導入 | 新しい壬生工場(栃木県)、筑波工場(茨城県)では、コジェネレーションシステムを導入し、廃熱を積極的に利用し、電力購入量の削減およびガス炊き冷溫水発生機の燃料削減を行い、CO2排出量削減を実現しています。 コジェネレーションシステムによる推定年間CO2削減量は壬生工場(栃木県)で1,163tCO2e、筑波工場(茨城県)で957tCO2eです。 |
都市ガス転換による環境配慮 | 本社地區のボイラの燃料を燈油から都市ガスに切り替えることで、CO2の25%削減とBCPの促進を継続して図っています。同時に転換のタイミングで燈油タンクを廃止して土壌汚染リスクの低減を進めています。 |
物流における取り組み
商品の輸送に必要なエネルギーの節約に貢獻します。
トラック帰り便の活用 | 日本國內の工作機械メーカにCNCシステムを納品したトラックは、帰りが空荷になります。このトラックを、サプライヤに紹介し部品納入に活用してもらうことを推進しており、これによってトラックの運行を効率化(臺數を削減)し、CO2削減に取り組んでいます。 |
---|---|
自社工場でのコンテナ詰め | 輸出用CNCシステムは、従來、ファナックから港灣倉庫へトラック輸送した後、港灣でコンテナ詰めしていましたが、これをファナックの工場に海上コンテナの荷役ができる設備を設けてファナック工場でコンテナ詰めを行い、コンテナを港灣に直送することで、コンテナ積載率の向上とトラックから積載量の大きいトレーラへの代替によるトラック臺數の削減を実現しています。 |
構內物流の効率化 | 本社地區では、多くの工場建屋間の構內物流が多く、村道も多くのトラックが往來し混雑していました。構內道路を整備することで、村道の使用を抑え、動線を 確保し、物流を円滑化しました。壬生工場では全工場間をコンベアで連結し、トラックによる構內運搬をゼロにしています。筑波工場は建物の規模を大型化してロボットの全ての生産工程を同一建屋內でコンベアでつなげることにより、構內運搬にトラックを使用することをなくしています。 |
非生産事業所における取り組み
太陽光発電設備の導入 | 本社地區の一部建屋において太陽光発電設備を導入しました。2020年度は太陽光発電により38.69MWhを発電しました。 |
---|---|
照明のLED化 | 工場および事業所で使用されている水銀燈と汎用蛍光燈のLED化を図り、天井照明、誘導燈、非常照明等をLED照明に切り替えました。LED化に加え、廊下やトイレなど、人が常にいる場所ではないエリアには人感センサを設置し、不要な點燈を防止するようにしました。 |
コジェネレーションシステム | 本社地區でもコジェネレーションシステムを導入し、廃熱を社宅?寮の厚生施設やファナックアカデミの給湯?暖房に使用しています。 |
建屋のリニューアル | 大阪支店において、骨組みを殘した建屋の全面リニューアルを実施し、省エネエアコン、照明のLED化、人感センサ等の導入により、空調電力60%削減、総電力40%削減を達成しました。 |
デマンドレスポンス | 電力供給會社からの要請に応じ、電力の受給需給ひっ迫が予想される時に電力消費を抑制するネガワット取引を行っています。 |
ITインフラ | 休み時間のパソコンモニタの電源をオフにすることで、推定年間電力削減量は28,800kWhとなる見込みです。 |
建屋の斷熱効果向上 | 冷暖房に要するエネルギー使用量を節減するため、外斷熱?內斷熱や外壁の2重(ダブルスキン)化の施工、結露対策、複層ガラスの採用など斷熱効果を高める様々な工夫を取り入れています。ダブルスキン外壁は、日野支社パーツセンタ棟、名古屋サービスセンタに採用されています。 2017年以降の新築社宅では、外斷熱?複層ガラスを積極的に採用しCASBEEでB+~A(自己評価)を目指した施設整備に努めています。 |